美打ち!

今週はプロジェクトの入れ替わり時期に入る。

「SPEC」映画はいよいよ今週末には作業が終わる。
あとはCGの差し替えだけって状態だったので、終われば本当に完成。
今までの試写をご覧になってた関係者の方々は、未完成版を観ていたのだ。失礼。
それにしても本当に大変なプロジェクトだった・・・。

それと入れ替わるように、新しい企画の美術打ち合わせが2本(映画とドラマ)。
通称・美打ち。
ほぼ全ての部署の代表者が集まり、台本をアタマから見ながら監督のイメージを聞いていく。
このシーンはこんなイメージの部屋がいいとか、この時の衣装はこんなのがいいとか、
髪型は寝起きの設定だがら寝癖をつけてとか・・・。
最初なんでざっくりした事しか話さないが、それでも1本やると半日が過ぎる。
結構な疲労感です。

ここでCG部(VFX)は何をしてるかというと、基本聞いてるだけ。
内容にもよるが、リアル設定の人間ドラマみたいなお話だと、CGの出番はほとんどない。
どこかに行けば理想の撮影場所は大体あるし、なくても予算範囲内ならセットで作れる。
役者の腕からロケットパンチが飛び出したり、目からビームが出たり、
敵にモンスターが出たりしない限りは、ほぼ現場で撮影して終了なのでCGの必要はない。

と、思いきやなんですよ・・

イマドキの映像は(あえてイマドキと言わせて)、それだけじゃないのです。
実際に撮影場所はあっても、撮影許可の問題で撮ることが出来ないなんて日常茶飯事。
新宿などの繁華街は殆んど許可はとれないし、
電車内やホームでの撮影も許可はなかなか厳しい。
(20世紀少年では、どちらも苦労したな・・)
石原都知事がその昔、東京をハリウッドのような映画の街にして、
もっと映画のロケーションに使ってもらおうなんて言ってたが、
実際、東京は全然撮影に易しくない街なのです。
ひと昔前なら、さっさと諦めて違う場所にするか、発想を変えるかして、
とにかく諦めるところなのだが、現在にはCGがある。

ここの撮影無理なんですけど、どうにかならないですかね?って話に大抵なるのです。
で、思いつく限りの撮影プランを提案することになる。

上記の場合、
新宿に似た街で撮影して後で一部CGで新宿っぽく描き変えるとか、使える線路で撮影して、
後で電車を目的のデザインに描き変えるとか、やり方はいろいろ。
プランはスーパーバイザーの人それぞれで違う。
ミニチュアを使うのが得意な人なら新宿の街や電車をミニチュアで合成するかもしれないし、
人によってはフルCGで街を作って合成するかもしれないし、
お金がない場合は写真で撮ったもので無理やり加工して合成につかったりとか、
その時々にあった予算感のものを提案する。
予算が決まれば大体答えは一緒になると思うけどね・・・。

一般的な映画とかドラマの美打ちは大体こんな感じなんじゃないでしょうかね。
「CASSHERN」とか「GOEMON」とかCGを多用しまくってる作品は様相が大分違いますが。
(「GOEMON」とかはCG部が中心になって美打ちがおこなわれる稀有な作品です)
機会があったら、こんな話をまた今度。

ということで、4月になったら「SPEC」映画とドラマも観て下さい。
結構、CG使ってます!

現在放送中の「ストロベリーナイト」もよろしく!!

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